免疫の力でがんを治す患者の会|がん免疫細胞療法(免疫療法)の健全な発展を目指します

手記・河合 (患者本人)

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<プロフィール>
年齢:73歳
職業:会社経営(63歳まで金融機関勤務)
ご家族:妻と長男夫妻
癌腫と経過:
前立腺がん。標準治療と重粒子線治療・免疫細胞療法等を組み合わせて治療を実施。現在は標準治療を受けながら治療継続中。

がんが見つかる前は、平日はほぼ100%仕事中心で、不規則な生活をしていました。但し、タバコは直近20年間で吸っていませんし、飲酒も少ない部類でした。食事については、不規則でしたが野菜、魚中心に食べていました。また、毎週末、屋外スポーツでかなり汗をかいていたこともあり、健康には、かなり自信がありました。病歴もほとんどありません。

毎年受診している人間ドックで前立腺腫瘍マーカー値(PSA)が初めて4.0を超えた時点で、がんの疑いを強く持ちました。2010年1月に生検で病気が確定(14か所中2か所にがん細胞、グリーソンスコア7~8)しました。

家族,親戚に前立腺がん経験者がいなかったため、大変驚きました。但し、前立腺がんになったら重粒子治療を受けるつもりだったので、幸いにして、ショックが非常に大きいということはありませんでした。

治療方針としては、当初、主治医から小線源治療の説明を受けました。いざとなって再度、自分で色々と調べて迷ったが、後遺症が少ないであろうこと、回復率が高そうだと感じたため、自分の意志で重粒子線治療を選択しました。その後、2010年から重粒子線治療を16回実施し、その後、標準治療とバッティングしないように、免疫療法(免疫細胞療法)を受けました。その間、再発などもありましたが前立腺全摘手術を受けたり、IMRT/IGRT療法を受けたりしながら治療を続けました。

その間の治療経過は以下の通りです。


・2010年 3月
リュープリン注射1回。同6月に重粒子治療16回(当時は16回が普通)。 その後半年間に限り、3ヶ月毎にリュープリン注射。

・2014年 秋 
PSA値が1.5を超えた辺りから自主的に免疫療法(ANK療法・1クール)行う。同年末近くにPSA再発と認識(PSA2.5)。

・2014年12月 
テンプレート生検 36か所中3か所にがん細胞(尿道付近)。グリーソンスコア8。まずは、ホルモン治療を勧められたが、ホルモン療法は「最後に温存したい」という気持ちが個人的には大変強かったので、他の方法を模索。

・2015年 1月 
放射線治療(重粒子)の経歴があるため、かなり迷ったが、複数セカンドオピニオンも聞き、自分の意志で前立腺摘出手術(ロボット支援手術)を選択。セカンドオピニオン後、手術は通常の2倍の時間を要した。過去の重粒子治療による癒着のため、拡大リンパ節郭清は出来なかったが、前立腺は全摘。断端陽性で手術後にグリーソンスコア9と判明。手術の影響で尿漏れはあるが、覚悟の上なので殆ど気にならない。この時の先生には悩みも共有いただき大変感謝しております。

・2016年 
インターネットや本で詳しく調べ、自主的に免疫細胞療法(樹状細胞療法、アルファー・ベータ細胞療法)実施。但し、本免疫療法は主治医にも報告した上で、標準治療とバッティングしない限りにおいて実施している。

・2017年 1月 
PSA値が0.15に近づいた為、主治医と相談し、IMRT/IGRT療法を 極めて慎重に「半クール」だけ受ける。

2018年 1月
PSAは徐々に0.3近くまで上昇した後、直近2回の検査では0.3以内で安定している。現時点までは主治医と相談し、ホルモン療法は受けておらず、標準治療では経過観察中。


2018年現在、PSAは直近2回の検査では0.3以内で安定しています。現在は標準治療を受けながら、経過観察しています。

免疫細胞療法については、インターネットや本で詳しく調べて受診を決めました。免疫細胞療法は主治医にも報告した上で、標準治療とバッティングしない限りにおいて実施しています。最初に主治医に相談する時は、かなり迷いました。主治医によっては「自分の治療を信用しないのか?」という話にもなりかねない、という話も聞いていたためです。現在、体調は全く問題なく、仕事・外出も全く普通にできています。毎週末の3時間ほどのアウトドア・スポーツも継続しています。食事療法の本で研究し、自主的に、食事は野菜中心。タンパク質は大豆・魚から摂取。塩分・澱粉も制限しています。関連サプリメントも服用しています。

年齢のせいもあろうが、がんになってから「人生の目標」についての考え方が、以前の「非常に漠然としたもの」から「具体的な少数の目標に絞り込む」ようになって来ました。これが「生きがい」ともつながり、前向きに日々を送ることができています。

「自分の経験が、人の役に立てば」と思い、患者会に入会しました。もし、友人から免疫細胞療法の相談があったら、自分の体験や知識を出来るだけ話したいと思います。まだ、発展途上かもしれないが、免疫細胞療法には期待しています。

年齢的なものはある程度仕方ないとしても、やはり「がん」を呼び込んでしまったことは事実。従来の自分の生活態度、食事等をしっかりと見直さないとと思います。同じことの繰り返しになる恐れが多いと感じ、自分なりに精一杯努力しています。

2018年1月 

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