NECががん免疫療法の開発に着手
フィルムやカメラのメーカーである富士フィルムが再生医療等のヘルスケア事業を拡大したり、インターネットモール事業の楽天が、子会社の楽天メディカルで光免疫療法の開発をすすめるなど、他業種から医療・ヘルスケアの分野に参入する企業が増えています。
そんな中、IT企業であるNECが、頭頸部がんと卵巣がんを対象に、免疫療法のひとつである「ネオアンチゲンワクチン」の臨床試験(治験)を開始することを発表しました。
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また、関連してノルウェーのバイオテクノロジー企業であるオンコイミュニティ社買収を発表しました。同社は、個別化がんワクチンや細胞治療のための最適なネオアンチゲンを見出すためのソフトウェアを開発しており、NECの子会社となり、社名もNEC オンコイミュニティとなるそうです。
様々な免疫療法が期待され開発が進められる中、ネオアンチゲン免疫療法も世界的に有望視されている治療法の一つとのこと。いち早く開発が進められて、患者のもとに届くことを期待したいですね。
【ネオアンチゲン免疫療法】とは
がん細胞は、正常な細胞の遺伝子にキズがつき(変異が起こり)生まれると言われます。【ネオアンチゲン】とは「新生抗原」などとも呼ばれ、正常な細胞が、がん細胞になる過程で生じる遺伝子変異により新たに生まれた、がん細胞のみにみられる抗原(がん細胞の表面生じるタンパク質)です。
ネオアンチゲンがん免疫療法は、この新生抗原=ネオアンチゲンを標的にして、免疫の働きによってがん細胞のみを殺傷することを目指した免疫療法です。正常細胞が持っていない目印を標的にして理論上はがん細胞だけを攻撃することが期待できます。