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『「がん細胞自滅」と健康食品を販売 容疑の社長ら逮捕』のニュースより

カテゴリー:お知らせ,事務局ブログ 2019.08.19

去る8月7日、がんへの効能があることを宣伝して患者さんらに健康食品を販売したとして、健康食品販売会社の社長や幹部が逮捕されたニュースがありました。

 

産経ニュース記事より

がん患者らに健康食品を「がん細胞が自滅する」と宣伝して販売したとして、大阪府警生活環境課は7日、医薬品医療機器法違反(未承認医薬品の広告、販売)容疑で健康食品販売会社の社長ら同社幹部4人を逮捕した。

https://www.sankei.com/west/news/190807/wst1908070032-n1.html

わたしたち患者やその家族は、医師のもとでがん治療を受けながらも、病気の治癒や進行抑制を願って、サプリメントなどを利用することが現実的にあると思います。

 

少し古いですデータですが、2005年に行われた「わが国のがんの補完代替医療の全国実態調査(厚生労働省がん研究助成金「我が国におけるがんの代替療法に関する研究」 )によると、45%の方が何らかの補完代替療法を利用しており、一番多く利用されているのが健康食品・サプリメント(利用者の9割以上)という結果でした。

 

今回逮捕された健康食品会社は、ホームページ等で、「商品に含まれる成分が、がんの成長を阻害することが確認された」などと記載していたそうですが、「病気が治る」「がんの抑制効果がある」など、体の機能に影響する表示は厚生労働省の検定を合格した医薬品でなければ認められておらず、健康食品ではこうした効果を謳うことはできません

 

誤解がないようにしたいのは、「健康食品」全てがいかがわしく、意味がないものだということではなく、販売する際にこうした広告(ホームページでの記載も含む)を行うことが法律違反だということです。この健康食品会社は、約6年前から7回も広告を改めるよう行政指導を受けていたと言いますから、やはり最低限の良し悪しの判断基準としては、消費者に対して誠実に向き合っているかどうか(法律違反は論外)でしょう

 

患者側も健康食品・サプリメントについて、「がんに対する直接効果を過大に期待することは間違い」、「がん治療中は、医薬品との相互作用によって治療を妨げたり、副作用の原因となる場合もある」といった基本的な知識は持っておく必要があります。

厚生労働省の研究班がまとめたガイドブックなども公開されていますので、参考になさってみてください。

がんの補完代替医療ガイドブック(厚生労働省がん研究助成金
「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班編集)リンク

 

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