2018年3月17日(土)13時より、北海道 札幌市のTKPガーデンシティ札幌駅前において、「免疫の力でがんを治す患者の会」第3回市民セミナーin札幌を開催致しました。
当日は約90名の方にお集まりいただき、まず、坂口力会長(元厚生労働大臣)が講演し、その後実際に免疫細胞療法を提供している後藤重則先生(瀬田クリニック東京院長)、清野研一郎先生(北海道大学遺伝子病制御研究所教授)による講演をお聞きいただきました。
その後は、休憩をはさんで免疫細胞療法に関心を持っている方々が坂口会長、後藤先生、清野先生他医療関係者・治療経験者を囲み、気軽に相談できる“茶話会”を行いました。
<セミナーの内容>
■ 講演1 坂口力会長(元厚生労働大臣)
『免疫なくして医療なし』
元厚生労働大臣として医療行政に切り盛りした経験や、ご自身が大腸がんと戦ってきた体験、更には医師としての知見を踏まえ、現在のがん治療の問題点を語られました。米国では30年前より抗がん剤の限界を知り、代替医療が重視され、中でも免疫治療が注目されていた。一方日本では科学的根拠を重視した西洋医療を過信し、代替医療が軽視されてきた。しかし、近年、がんで死なない「がん患者」が増加したことで、日本にもようやく個別化医療と共に免疫療法が広がろうとしている。最後に「今、未来に向かって立ち上がろう」との力強い言葉で講演を締めくくりました。
■ 講演2 後藤重則先生(瀬田クリニック東京院長)
『がん免疫療法の役割』-その有用性と科学的根拠について-
まず、長年に渡り免疫療法を実践されてきたお立場から、なぜ免疫細胞療法ががんに対して有効なのか、どのようにして免疫細胞ががん細胞を攻撃するのかについて、樹状細胞とTリンパ球の役割分担など具体的かつ易しく解説された後、免疫細胞療法の現状について、他の治療法との併用による治療効果や今話題になっているチェックポイント阻害剤についもわかり易く解説をしていただいきました。
■ 講演3 清野研一郎先生(北海道大学遺伝子病制御研究所教授)
『がん免疫療法の今後の展望』
がん免疫療法の第一線の研究者としてのお立場からがん免疫療法の今後の展望について、
遺伝子治療としてネオアンティゲン、CAR-T細胞。免疫抑制分子(CTLA-4,PD-1)を阻害する抗体薬。また、それらを併用した多くの治験が実施されているとのお話があった。
先生の「新しい治療法がどんどん出てくる時代になっている。2~3年で新しい薬がでてくるのであきらめないでほしい」との力強いお言葉が印象的であった。
講演終了後、参加者と医療関係者による
“茶話会”を開催しました!
免疫細胞療法を提供する複数の医療機関から先生方に参加頂き、治療経験者の方やセミナー参加者と共にお茶を飲みながらざっくばらんに意見交換を行いました。
先生方のの解説に真剣に聞き入る姿や、自らの悩みや不安をじっくりと相談する姿があちこちに見られました。最初は少し堅かった雰囲気も、徐々に和み、終了時間を過ぎても名残惜しそうに語り合っていらっしゃいました。
左)各先生を囲んでざっくばらんに話し合う参加者の皆様
(※お顔は判別できないようにしてあります)
右)参加者の話を真剣に聞く後藤先生